時代が変わっても文化を守る「ダイヤモンドレコード針」
【未常識】今は常識ではない、
でも未来に常識となる事・・・これは私が作った造語です。
私が一昔前にレンタルビジネスを創業した際の
最初の商品はレコードが主でした。
1980年代以降のCD普及により、
商品構成はガラリと変わり、
大きな転換期を迎える事になりました。
現在ではレコードやCDを介さずに、
ネット上から音楽配信が可能になり、
人々の音楽との触れ合い方にも大きな変化が見られます。
今回はレコード針を生産し続けて70年。
ダイヤモンドレコード針の「世界シェア80%以上」を持つ、
株式会社ナガオカトレーディングをご紹介させていただきます。
レコード文化を絶やさないために…
歌手の桑田佳祐さんが、
2016年6月にリリースしたシングル「ヨシ子さん」で、
若者の音楽文化についていけない
”おじさん世代”の声を代弁する歌詞の一節に、
レコード針を指す「ナガオカ針」が登場します。
ピーク時には月間120万本に達したレコード針の生産量は、
音楽を楽しむ媒体がCDやインターネット配信に
移っていくにつれ、右肩下がりで落ち込んでいきました。
同業他社が廃業していく中、
同社も事業撤退を検討しましたが、
「レコード文化を絶やしてはいけない。
一人でもレコードを聴く人がいる限り」
と事業継続を決め、
他事業で赤字を補い生産を続けてきました。
定額の音楽配信サービスが本格化した
2010年代に入ってから、レコードを再評価する
アーティストや消費者が増え始め、針の需要も増加。
オールドファンのみならず、若者にもレコードが受け入れられ、
現在は月間生産量も回復し海外での需要も高まっております。
便利なスマホやタブレットが誕生したお陰で、
移動中でもクリックすれば好きな音楽を
聴く事ができるようになりました。
しかしながら、時間を掛けてレコード屋で購入した
レコードを家でジャケットから取り出し、
付属の冊子を読みながら、針を落として
音楽をゆっくりと聞き、アーティストの世界観に浸る。
手間暇をかけて得られる贅沢な時間にこそ、
幸せを感じる時もあるものです。
今月の一言
「”モノ”を得る事の豊かさではなく、”心の豊かさ”の追求。」/これが則ち【未常識の発見】
※こちらの記事は月刊誌「美楽」に掲載された記事です。
イベントスケジュールはこちら
お申し込み・お問い合わせはこちら
牛久保洋次
慶應義塾大学商学部卒業株式会社友アンド愛(レコードレンタルビジネスの開発者)を創業し、代表取締役就任。約700店舗をFC展開する。株式会社ピザカリフォルニアを創業し、代表取締役就任。約400店舗をFC展開する。日本CDビデオレンタル商業組合初代理事長(社)ニュービジネス協議会理事等を歴任。現在、株式会社いかしあい隊会長、その他顧問数社。