志ある経営者の出会いと学びの場
株式会社いかしあい隊の楠本です。
はじめに
預金金利、国債の金利の話をしなくなって
久しく感じるのは私だけででしょうか。
私が証券マン生活を始めた昭和50年代、
10年国債の金利は、年利率で6.1%~8%位でした。
特に、昭和53年に発行された
年利6.1%クーポンの61国債(ろくいち)は、
その後の金融引き締めで、長期金利が12%代まで上昇し、
債券価格が暴落をする事となりました。
単純に、金利が倍になれば債券価格は半分になる
1980年3月。
決算を控えた多くの日本の金融機関は、
パニックになっていました。
なぜなら、
莫大な国債の含み損を抱えていたからです。
当時の日本には、ヘッジ市場(先物市場)は
存在しておらず、買い手不在のまま、
値段だけが下がる現象が起きていました。
当時は、時価70円の物を102円で売り
103円で買い戻したと聞いています。
これを受け、1985年には政府と日銀によって
金融機関によるフルディーリング解禁
債券先物市場開設が行われました。
その後、1999年に日銀はゼロ金利政策を開始、
2016年にはマイナス金利政策を導入しています。
かくして、長期金利(10年金利)は
ゼロ近辺の推移が続くこととなったのです。
ゼロ経済成長時代の到来
2021年1月の10年物長期国債(個人向け)の年利率は、
0.05%(購入金額100万円での年間利息は500円)。
ちなみに61国債で122倍の61,000円。
つまり、同じ100万円で貰える利息が
122分の1になってしまったということになります。
これはどういう意味があるのでしょうか。
当時は、お金を預ける上で最も安全(リスクの低い)
国債(国の債券)に預けた場合、
年間6%(61,000円)の利息がもらえるという、
今から見れば高度成長時代にありました。
反対に2021年現在、
最も安全なお金の預け先であるはずの国債は、
0.05%(500円)しか利息をもらうことができません。
われわれは、今まさに
ゼロ成長時代にに生きているということになります。
別の見方をすれば、安全な投資(ローリスク)が、
ほぼない投資環境にいることを自覚しなければなりません。
残念ながら、預貯金や日本国債での利息は
もはやないに等しいということです。
終身保険も予定利率が0.25%で、
手も足も出ません。
元本ロスの在る外貨預金ですら、
ローリスクローリターンと言われています。
言われて久しいテーマではありますが,
貯蓄から投資への流れは若者の中から生まれてきます。
株式相場の世界でも
長年破れなかった10年来高値をつけるような場面では、
初心者の投資家が中心となって株を買うを姿がありました。
今後も若い投資家への期待が高まるでしょう。
国内証券会社、金融機関系ノンバンク財務部長、経営企画本部長、社長を歴任、牛久保会長の経営者交流会の会員を経ていかしあい隊にジョイン、中小企業、スタートアップ企業のハブになる事をライフワークとする。